2017年4月26日水曜日

骨折2ヶ月後

手首骨折からちょうど2ヶ月が経った。
とても長かったような、あっという間だったような・・・
自分がギプスをしていた日々が、夢の中の出来事のように思えてしまう。

この前のセラピーで作業療法士に渡されたのは、下の絵。
何ともアナログでゆる~い感じだ。


自主リハビリ期間にはやっていなかった「曲げた状態を30秒から1分間保つ」を、この絵の通りに忠実に守っている。
この1連の動作を1回に3セットで、1日4~5回のペースだ。

日本語で「掌屈」と呼ばれる「手のひら側に曲げる動作」が右手と同じようにできるようになるまでには、まだ時間がかかりそう。
「背屈」「橈屈」「尺屈」のほうが、もっと進歩がみられる。
それでも力もどんどんついてきて、日常生活で不自由を感じることはほとんどなくなった。

ピアノに関しては、ショパン「ノクターン第13番ハ短調 Op. 48-1」「骨折卒業課題曲」にしようと、ギプス固定中から決めていた。


中間部から、コラール部分の分厚い和音とアルペジオ、それに続くオクターブの速い連打などが盛りだくさん。
ギプスを外したばかりの頃は無理だったが、やっと以前と同じように弾けるようになった。
と言っても、かなり難曲なので元々完璧に弾けるわけではない。
あくまでも「骨折前と同程度には弾ける」・・・という意味だ。

実際の所、ギプス固定中にはピアノがゆっくりとしか弾けず、かえって丁寧に練習ができたため、ギプスを外したら前より上達していたという曲が結構多い。
これは嬉しい驚きだった。

ヴァイオリンに関しても、コンサートのために練習中の「メサイア」は、問題なく弾けるようになった。
第2音でさっそくつまずいていた「G線上のアリア」は、やっと高音にも指が届くようになって全曲OKとなる。
やれやれ・・・
でも、オーケストラで弾く曲は、さらなる高音を押さえなくてはならない時があるので、こちらはまだ100%元に戻ったとは言えない。

料理については、大きなフライパンや重い鍋も持てるようになり、作業が楽になった。
まだおっかなびっくりで、注意して持つようにはしている。
骨折したのがもし利き手だったら、恐怖心なしに包丁を扱えるようになるまでには相当の時間がかかるのではと想像する。

そして、ギプスを外した時になぜか毛深くなっているのをみつけて驚いた手首周りも、元に戻ってほっとしている。
シェーバーで剃ったのが2回。あまりにも目立つ毛は毛抜きで抜いてしまったら、生えてこなくなった。

あのまま男性化が進んでいったらどうしようかと、ちょっと心配していた。。。
ブツブツした感じになり、数も増えたかのように見えていた毛穴もおとなしくなって、右腕と同じに戻った。
ああ、よかった・・・

きちんと固定しておけば、放置状態でもは勝手に再生し、元のようにくっついてしまう。
考えてみると、ものすごいミラクルだ!
虫歯になった部分も、そのように再生してくれればいいのに・・・

初めの頃、左手のが全然伸びなかったのも不思議。
今まで知らなかった人間の体の仕組みに、ひとつひとつ驚嘆してしまう。

そして、私たちの体はとても脆く、ちょっとしたことですぐに壊れてしまうことにも気付かされた。
これも、骨折という体験をしたおかげだ。
毎日、驚異的な働きをしてくれている体中の全ての細胞に、愛と感謝を送りたい。