2017年3月25日土曜日

骨折4週目 (26~28日目)


3月23日(木) 「メサイア」断念

時間があると、つい骨折関係のサイトに目が行ってしまう。
英語だが、プロのヴァイオリニストが骨折した時の記事をみつけた。

  Violinist Recovery from Broken Wrist - Finger Strengthening

やはりリハビリには相当の時間がかかるようだ。
一時帰国までに、何とか十分な筋力がついていると良いのだけど。

オーケストラのライブラリアンに「メサイア」に出られない件についてメールしたら、とても温かい返信。
彼女も骨折後のリハビリ経験者なので、スタッフはみんな人柄がよく優秀な人たちだから、安心してセラピーを受けるよう教えてくれる。
ミュージシャンだということを初めにきちんと伝えて、それなりのリハビリ方法を適用するようお願いしたほうがいいとアドバイスしてくれた。

ふと、ヴァイオリンがダメならコーラスで参加しようかなんて考えた。
「メサイア」は、日本で某教会の合唱団に入って半年間練習し、ほとんど全曲歌ったことがある。
でも皆さんが長いこと練習している中に、1人で後からポッと入るのは、甘く見ているようで感じ悪いかな。
日本の評判を落とすことにでもなったら大ごとだ。
運転できないから、毎回夫に頼んで連れて行ってもらうのも気が引けるし・・・
未練タラタラな自分に呆れるが、やはりあきらめよう。本当に残念だ。

PCのキーボードは、両手全部を使ってそれなりに打てるようになった。
もちろん、普通より時間はかかるけれど。
マカロニをゆでた時の両手鍋の移動も、左手も使って問題なくできた。
少しずつ少しずつ、よくなってきているのかな。


3月24日(金) 左手の爪復活!

今日もピアノを弾いた。
もしかしたらまだあまり動かさないほうがいいのかもしれないけど、待っていられない。
それほど痛みも感じず、長い時間弾けるようになってきた。

怪我をした2日後に切って以来、なぜかほとんど伸びが止まってしまっていた左手の爪がやっと長く伸びたので、約1ヶ月ぶりに切った。
その間に右手は何度切ったことか・・・手を使わないと、爪が伸びないのだろうか。
それとも怪我の修復に栄養(?)が全部取られて、爪までまわってこなかったのだろうか。
とにかく、元通りになってきてよかった!

夫、友人夫婦、プラス1名と共に、近所のバーへ。
バーと言っても、日本の居酒屋みたいな雰囲気だ。

ウィークエンドスペシャルの夕食が、なかなかの美味♪
ミネソタの釣りキチに多分一番人気の、ウォールアイという白身の魚のフライだ。
男性陣はバカでかいステーキをオーダーして、食べるのに苦労していた。

あちらのテーブル、こちらのテーブル、顔なじみさんがたくさん来ていて、挨拶に忙しい。
カクテルもおいしかった!あれ~アルコール禁止なのに、また飲んでしまったよ。




3月25日(土) 久しぶりのヴァイオリン

怪我した翌週位にヴァイオリンを出してみたら、全くお話にならなかったが(指に力が入らない)、今日久しぶりに再チャレンジしてみたところ、スズキメソードの教本第1巻の初めのほうの曲は無理なく弾けて、とても嬉しかった。

ギプスが邪魔で、小指を使うことは物理的に無理・・・
それに、E線、A線にしか指が届かない。
それでも、上2本の弦で1~3の指だけで弾ける曲なら、指も痛くないしちゃんと力も入ることがわかった。

「キラキラ星」や「ちょうちょう」「こぎつね」「むすんでひらいて」を弾けることで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて!
息子が4歳半でレッスンを始めてから数年遅れて私も37歳で始めた時にも、ここまでは感動しなかった。
初心に帰れってことね。

ギターみたいに構えてピチカートで弾けば、小指も何とか使え、他の指はG線まで届く。
これでもすごい進歩!

一方、ピアノは本当に大進歩。
「別れの曲」は、緊張感がみなぎる両手共に連続6度の和音の部分も、ゆっくりだったら何とか弾けるようになった。
普通は無意識に手首を回転させることで上半身をまっすぐに保てるが、それができないので、体全体が右に大きく傾くことになって疲れるけれど・・・

ドビュッシーの「月の光」「アラベスク1番」なども、それなりに通して弾けた。
骨折1週目から指1本でどうにか弾いていたショパンの「ノクターン遺作」やバッハの数曲は、指使いがオリジナルに近くなってくる。

ノブ式のドア、固いビンの蓋はお手上げだけど、ネコのキキを無理なく抱き上げたりコーヒーの入ったカップを左手だけで運ぶことなどは、いつの間にかできるようになっていた。