2017年3月29日水曜日

骨折5週目 (29~32日目)


3月26日(日) 骨折1ヶ月

骨折してから、ちょうど1ヶ月だ。 おめでとう!? \(*^▽^*)/
先週まであまり気にならなかったけれど、ギプスの下の肘近くの皮膚がかなりカサカサしている。

届くところだけクレンジングオイル、仕上げにお湯に浸して固く絞った化粧用コットンで拭いたら、少しさっぱりした。
見える範囲だけ、使わなくなった古い菜箸とコットンで同じようにする。
奥のほうまで拭きたい衝動に駆られるけれど、傷でも作ったら大変なのでやめておこう。


3月27日(月) はじめてのおつかい

午前中、まだドライブウェイが半分は凍っていてぐちゃぐちゃになる心配がなさそうだったので、1人で運転して郵便局まで行って来た。
「はじめてのおつかい」の気分・・・左手でドアを開けたりシートの位置を調整したりができないが、あとはまあ大丈夫そう。
でも、ハイウェイに出る勇気はまだない。

午後は、ピアノを弾いた以外はほとんどキッチンにこもっていた。
なかなか消費できないココナッツオイルを使って、クッキーを焼いてみる。
サクサクで、とてもおいしくできた。

  ⇒ ココナッツオイルのクッキー*大人気! by LaRay

夕食の支度は、ごく普通のメニューでもとにかくやたらと時間がかかる。

前にアマゾンでオーダーしたギプスカバー cast cover が届いたので、さっそっくシャワーの時に使った。
素材はとてもしっかりしていて、思ったより長めだ。肘の上までギプスしている人でも大丈夫そう。

結構入り口がきつくて、腕を入れる時には少し苦労する。


だからこそお湯が入る心配がないわけだけれど、もっと大柄の人だと無理なのでは?
今までレジ袋&ランチベルトで何とかこなしていたが、シャワーがとても楽になった。


3月28日(火) ウォーキング

天気が良くて暖かいので外に出ずにはいられなくなり、ウォーキングに出かけた。
トレイルの雪はすっかり解けている所も多いが、ツルツル凍っている所もまだまだ残っている。

もう決して転びたくないので、ゆっくりソロリソロリと歩いた。
深い雪が積もっている真冬でも、ここまで時間がかかったことはない気がする。

雪解け水がたくさん溜まっている所では、大きく旋回。
普通ならぴょ~んと飛び越えてしまうが、小川のように流れている雪解け水を越すのに勇気がいる。
もしここで転んでギプスがびしょびしょの泥だらけになったらと考えると足がすくんでしまい、どこを渡れば一番安全か考えながら、しばらくウロウロしてしまった。


今の季節にだけ聞ける、雪解け水がとうとうと流れる音に癒される。
2月26日に転んでしまった場所を見たら、泥んこのぬかるみになっていた。
トラウマになって、ここはしばらく通る気がしないかも・・・

家の前の湖も少しずつ解けてきて、春はもうすぐだ!


ネコのキキがほったらかしていたおもちゃ、握力増強のリハビリにちょうど良さそう。
とぼけた魚の顔が笑えるが、握っていると気持ちいい。


今まで見向きもしなかったくせに、今日はキキが寄ってきて奪っていった・・・



3月29日(木) 指の皮がむける

ギプスをつけているとよくあることらしいが、指の皮がポロポロむけて気になる。

汚い写真ですみません

クレンジングオイルでふいてみたり、ツイザーではがしてみたり・・・気にし始めると、止まらなくなる。
ギプスに隠れた部分は、一体どうなっているのだろう。


ピアノは、2日位触らなかったかな?
弾き始めは、何となく指の感覚がふにゃっとしていたが、弾くうちにしっかりしてくる。
さぼらないで毎日弾いた方がいいかも。



2017年3月25日土曜日

骨折4週目 (26~28日目)


3月23日(木) 「メサイア」断念

時間があると、つい骨折関係のサイトに目が行ってしまう。
英語だが、プロのヴァイオリニストが骨折した時の記事をみつけた。

  Violinist Recovery from Broken Wrist - Finger Strengthening

やはりリハビリには相当の時間がかかるようだ。
一時帰国までに、何とか十分な筋力がついていると良いのだけど。

オーケストラのライブラリアンに「メサイア」に出られない件についてメールしたら、とても温かい返信。
彼女も骨折後のリハビリ経験者なので、スタッフはみんな人柄がよく優秀な人たちだから、安心してセラピーを受けるよう教えてくれる。
ミュージシャンだということを初めにきちんと伝えて、それなりのリハビリ方法を適用するようお願いしたほうがいいとアドバイスしてくれた。

ふと、ヴァイオリンがダメならコーラスで参加しようかなんて考えた。
「メサイア」は、日本で某教会の合唱団に入って半年間練習し、ほとんど全曲歌ったことがある。
でも皆さんが長いこと練習している中に、1人で後からポッと入るのは、甘く見ているようで感じ悪いかな。
日本の評判を落とすことにでもなったら大ごとだ。
運転できないから、毎回夫に頼んで連れて行ってもらうのも気が引けるし・・・
未練タラタラな自分に呆れるが、やはりあきらめよう。本当に残念だ。

PCのキーボードは、両手全部を使ってそれなりに打てるようになった。
もちろん、普通より時間はかかるけれど。
マカロニをゆでた時の両手鍋の移動も、左手も使って問題なくできた。
少しずつ少しずつ、よくなってきているのかな。


3月24日(金) 左手の爪復活!

今日もピアノを弾いた。
もしかしたらまだあまり動かさないほうがいいのかもしれないけど、待っていられない。
それほど痛みも感じず、長い時間弾けるようになってきた。

怪我をした2日後に切って以来、なぜかほとんど伸びが止まってしまっていた左手の爪がやっと長く伸びたので、約1ヶ月ぶりに切った。
その間に右手は何度切ったことか・・・手を使わないと、爪が伸びないのだろうか。
それとも怪我の修復に栄養(?)が全部取られて、爪までまわってこなかったのだろうか。
とにかく、元通りになってきてよかった!

夫、友人夫婦、プラス1名と共に、近所のバーへ。
バーと言っても、日本の居酒屋みたいな雰囲気だ。

ウィークエンドスペシャルの夕食が、なかなかの美味♪
ミネソタの釣りキチに多分一番人気の、ウォールアイという白身の魚のフライだ。
男性陣はバカでかいステーキをオーダーして、食べるのに苦労していた。

あちらのテーブル、こちらのテーブル、顔なじみさんがたくさん来ていて、挨拶に忙しい。
カクテルもおいしかった!あれ~アルコール禁止なのに、また飲んでしまったよ。




3月25日(土) 久しぶりのヴァイオリン

怪我した翌週位にヴァイオリンを出してみたら、全くお話にならなかったが(指に力が入らない)、今日久しぶりに再チャレンジしてみたところ、スズキメソードの教本第1巻の初めのほうの曲は無理なく弾けて、とても嬉しかった。

ギプスが邪魔で、小指を使うことは物理的に無理・・・
それに、E線、A線にしか指が届かない。
それでも、上2本の弦で1~3の指だけで弾ける曲なら、指も痛くないしちゃんと力も入ることがわかった。

「キラキラ星」や「ちょうちょう」「こぎつね」「むすんでひらいて」を弾けることで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて!
息子が4歳半でレッスンを始めてから数年遅れて私も37歳で始めた時にも、ここまでは感動しなかった。
初心に帰れってことね。

ギターみたいに構えてピチカートで弾けば、小指も何とか使え、他の指はG線まで届く。
これでもすごい進歩!

一方、ピアノは本当に大進歩。
「別れの曲」は、緊張感がみなぎる両手共に連続6度の和音の部分も、ゆっくりだったら何とか弾けるようになった。
普通は無意識に手首を回転させることで上半身をまっすぐに保てるが、それができないので、体全体が右に大きく傾くことになって疲れるけれど・・・

ドビュッシーの「月の光」「アラベスク1番」なども、それなりに通して弾けた。
骨折1週目から指1本でどうにか弾いていたショパンの「ノクターン遺作」やバッハの数曲は、指使いがオリジナルに近くなってくる。

ノブ式のドア、固いビンの蓋はお手上げだけど、ネコのキキを無理なく抱き上げたりコーヒーの入ったカップを左手だけで運ぶことなどは、いつの間にかできるようになっていた。

2017年3月22日水曜日

骨折4週目 (22~25日目)


3月19日(日) 食器洗い

掃除、洗濯、食事の支度・・・何でも倍ぐらい時間がかかるけれど、家事を一応自力でできることに幸せを感じる。
洗濯は、日本でやっていたように外に干すわけではなく、洗濯機と並んでいる乾燥機に移すだけだから楽勝だが。
服などをたたむのも、初めは全部右手だけでやっていたが、左手も使えるようになってだいぶ楽。

この地域の水は、鉄などミネラル分の多い極端な硬水なので、軟水に変える装置を使っている。
それでも食器に水の跡が残りやすいので、手洗い後にすぐに拭いてしまったほうが仕上がりがきれいという理由もあり、2年半前に故障した食洗器はそのままになっている。

夫が家にいる時は彼が皿洗いをしてくれ、私は拭く係。
拭く時は大きめの布巾をカウンターに広げ、食器を乗せて周りから包み込むようにすると何とかできる。


3月20日(月) ギプスでピアノ演奏の動画

ギプスでピアノを弾く様子を、動画に撮ってみた。(これは非公開・・・)
録画していると思うとやはりいつもより緊張し、なかなかうまくできなかった。

将来、笑って観ることができるといいな。
本当に、指の動きは劇的に回復してきていると思うのだけれど。


3月21日(火) ギプス交換

2週間ぶりに診察を受ける。
まずはアシスタントがギプスを外してくれた。ギプスカッターも2度目なので、恐怖には感じなかった。
途中で Are you OK? と聞いてくれたけれど、大丈夫ですよ~

外してから、このギプスをキープしたいですか?と聞かれる。
何のために?と尋ねたら、記念に取っておきたがる人がいるそうだ。
いや~、これはいらないだろう・・・お断りしたら、脇のゴミ箱にあっさりポイと捨てられた。
守ってくれてありがとうと心の中でお礼を言いつつ、ギプスにお別れを告げる。

今日まで2週間お世話になったギプス(白鳥の頭みたい?)

ギプスは別に臭くなったり汚れたりはしなかったけれど、はずすと手の甲の指の付け根辺りには、乾いた感じのらしきものがやはり数ヶ所こびりついていた。
腕はさほど汚れていないように見えたが、何だか毛深くなったようだったのは、気のせい?見なかったことにしよう。

ギプスを外した部分だけ生気がなくて、特に手はホルマリン漬けの標本か何かみたい。
何となく、ぬめ~っとした印象だ。
こんな状態の自分の手を見るのは生まれて初めてなので、かなりショック!

親指はやや内側に向いた状態できつめに固定されていたため、生命線の筋がやたらと深く見えた。
ふっくらした右手に比べると中身が減り、肌に直接触れていた繊維の跡がくっきりついて皺だらけのように見える。

腕はひと回り細くなってしまい、まるでETみたい!筋肉って使わないとすぐ痩せるのね。

う~ん、本当に力が入らない。

レントゲン
を撮ってもらった後に、手と腕を洗うことを許される。
手首骨折経験のある友人に、ボディスクラブを持って行くといいとアドバイスされていたので、タオルハンドローションと共に持参。

洗う時にも、手の重さを支えきれないような情けない状態だ。
左腕全体を持ち上げようとすると、ブルブル震えてしまう。
垢がこびりついているように見えた手の甲を中心に洗ったが、皮膚も弱っていそうなのであまりごしごしこするのも怖く、残りはそのまま再び封印することに。。。

親指と小指を思い切り広げてみる。ピアノのオクターブ位は広がりそうな感じだが、手首に力が入らないので、ギプスなしのこの状態での演奏はとても無理そう。
何とか弾けていたのは、ギプスにしっかり支えられていたおかげだったのだと気付く。

ヴァイオリンなんて、楽器を持つこと自体が全く不可能そうだ。
ピアノよりさらに遠い遠いところにある感じ。

しばらく待つとドクターがやって来て、今日のレントゲン撮影の結果を報告してくれる。
すこぶる順調に治ってきていて手術は必要ない、しっかり完治するだろうとのこと。
ああよかった!

ただし、あと3週間はギプスで固定しなくてはいけないそう。
長期間ギプスをつけていると手首の関節拘縮して動かなくなってしまうので、その後しばらくセラピーを受けてほぐすことが必要だって。

この前友人に聞いたsoft cast のことをたずねたら、それだとしっかり固定されないので今の段階ではおすすめできないときっぱり言われてしまった。
3週間経った後に、取り外しのできるものをつけるそうだ。
ええっ、まだそんなに長い道のりなの?時間を早送りするボタンが欲しくなる。
4月末の「メサイア」のコンサートの夢が、はかなく消えてしまった・・・

この前と同じ感じのいいお兄さんが、またギプスを巻いてくれる。
何色のギプスが一番人気があるの?と聞いたら、ダークブルーだそうだ。
汚れが目立たないからだって。なるほどね。

でも、今回もにしてもらった。
こういうのを見ると、ピンクも良かったかもと思うけど(笑)


もし足が折れたら、こうしようかな。


彼は午前中にも、私と同じように手首を骨折した人にギプスを巻いたそう。
その人もピアノを弾くのだって。ピアノはとても良いリハビリになるし、絶対によくなろうというモチベーションにもなるとのこと。

そういうのを聞くと希望がわく。私はヴァイオリンも弾くのだけれど、この怪我のせいでコンサートに出られなくなっちゃたと、お兄さんに向かってつい嘆いてしまった。

前回は親指の周りがきつめで靴擦れのように痛かった(実際には擦れたりはしていなかったけど)とひとこと言ったせいか、この前に比べると親指はかなりゆったりと巻いてくれたようだ。

今回も夫が送り迎えしてくれたが、帰りはハイウェイから普通の道に入った所から久しぶりに運転してみた!
左手がほとんど使えないと、他の部分まで調子が狂ってちょっと怖い。
舗装されていない我が家の長いドライブウェイは、雪解けでぐちゃぐちゃドロドロ。
スピンしそうで、スリル満点だった。

実は早めにギプスが取れることを期待していたが、外してもらった途端に、まだまだ無理と自覚。
でもあと3週間かそれ以上・・・というのはへこむなあ。
5月のゴールデンウイーク後に日本に一時帰国の予定なのだけど、大丈夫なのだろうか。。。

もっと思い切りシャワーを浴びられるよう、防水のギプスカバー cast coverアマゾンでオーダーした。
レジ袋なんかで間に合わせようとせず、骨折直後にさっさとオーダーするべきだった。



3月22日(水) 怪我のおかげで

私の怪我のおかげで、「自分もこんな風になったら大変!」と、夫は今までより気をつけて歩くようになったそうだ。
骨折のニュースを聞いた私の周りの人たちもきっとそうだろうから、その点で間接的に人助けしたことになっているのかも?

今までは若い時と同じく、しゃかしゃかと速めのテンポで行動していたけれど、私自身もこの怪我で年を自覚した。
(「ババアになったわね」と、はっきり言われたこともある。冗談でもこれはきついよ~)
以前より周りの様子に気を配るようになったので、もっとひどい大怪我をするかもしれなかった運命を変えたのかも・・・と前向きに考えることにしよう。

今後、もし周りの誰かが手首を骨折してしまったら、先輩として(笑)親身になって色々アドバイスできることだろう。
物事、何でも良い方に考えなくては!
私は元々、かなり楽天的というかおめでたい人間なのだ。

新しいギプスは今までより親指の可動範囲が広がったので、ピアノを弾いてみたら、全く使えなかった親指が使えるようになって嬉しい。
もちろんオクターブは不可能だけれど、オリジナルの指使いにもっと近く弾けるようになってきた。
でもまだ頑張りすぎないほうがよいのだろうな、きっと。

リハビリのことをネットで調べたら、結構大変そうだ。甘く考えていた・・・
ヴァイオリンをまともに弾けるようになるまでには、何ヶ月もかかりそう。

ファーストヴァイオリン仲間にも、経過報告をしておいた。
4月末の「メサイア」コンサートはずっと楽しみにしていたのに、みんなと一緒に弾けないのは本当に残念。



2017年3月17日金曜日

骨折3週目 (19~21日目)


3月16日(木) ピクニック

義妹夫婦が春休み中の孫二人を預かっているので、一緒にピクニックをすることになる。
私にとっては、怪我をしてから初めてのウォーキングだった。
骨折直後はあまり振動を与えないほうがよいので、長時間走ったり歩いたりするのは控えるべきと聞いていたので。

この前近所の友人がくれた滑り止めをブーツにつけたため、びくびくせずに歩けた。
普通の手袋は無理なので、夫にもブカブカだという大きな手袋を借りて左手にはめた。
やはり、大自然の中を歩くのは気持ちがいいこと!


ピアノは結構まともに弾ける曲が増えたけれど、怪我をしてから初めてちょっと試してみたヴァイオリンは、全くお手上げ状態だった。
固いギプスで楽器を傷つけそうなことも心配。
肩当てをつけることさえできない。調弦も無理。手首が曲がらず、指が全く届かない。
こんなで、オーケストラに復帰することができるのだろうか。

次のコンサートのために、今夜は弦楽器だけのリハーサルの日。
今頃みんな頑張っているのだろうなと想像すると、心にぽっかりと穴が開いてしまった感じだ。


3月17日(金) セントパトリックスデー

今日はセントパトリックスデー(アイルランドのお祭り)。
毎年、友人たちを招いて我が家でパーティーを開いてきたが、今年はキャンセル。
すると友人夫婦が逆に招待してくれたので、手土産用にチューイーなタイプのチョコレートチップクッキーを焼いた。 ⇒ レシピはこちら

日本だったらデパ地下で何か買えばすむことだけれど、アメリカの田舎ではこのように自分で作る機会が多い。

セントパトリックスデー定番の、コーンビーフとキャベツなどの野菜を煮込んだ料理をごちそうになった。

友人宅でお宝鑑定中

ギネスビール、アイリッシュウイスキーもいただいてしまう。前にも書いたが、本当はアルコールは骨折によくないらしい。

「そのギプス、立派な武器になるね」と友人に言われ、大笑い。
もうしばらくしたら、soft cast という取り外し可能なギプスになるのでは?とも言われた。そうなったら、シャワーなどがずい分楽になるな~


3月18日(土) 爪が・・・指が・・・

どういうわけか、左手の爪が全然伸びない。骨折2日後の2月末に切ったきりだ。
逆に、右手はいつもより伸びる速度が速い気がする。右手ばかりを切る羽目になっている。
最初は無理~という感じで痛みをこらえながらだったけれど、もう楽々と普通に切れるようになった。

左手の親指がやけにカサカサしていることに気づき、綿棒を使ってクレンジングオイルできれいにした。気持ちいい!
もしかしてだったのかな?ギプスの内側がどんな風になっているのか、何だか心配になってきた。


2017年3月15日水曜日

骨折3週目 (15~18日目)


3月12日(日) 偽ギプス?

まだ3月だが、アメリカのほとんどの州でサマータイム Daylight Saving Time が始まる。
夕べのうちに、家中の時計を1時間進めておいた。
高い所の時計をはずしたり掛けたりすることに、ちょっと恐怖を感じる。
また転倒でもしたら、泣いても泣ききれない・・・

日本に住む息子夫婦とスカイプ。ギプス姿の腕を見せたら、とても気の毒がってくれる。
1時間半位おしゃべりした。夏休みには、今年もミネソタに来てくれるそうで楽しみ。

友人の1人がレストランでランチをごちそうしてくれる。私の誕生日のお祝いだ。
出かける前に、そのお礼用にチーズケーキクッキーを焼いて持って行った。
今日もウォッカソーダを飲んでしまったので、午後はだるくなって昼寝。

数年前の記事だが、韓国では偽のギプスをネットで販売しているそうだ。
旦那さんの実家などに行かなくてはいけない時、家事に巻き込まれるのを避けるためなのだって。
さすが韓国!?すごいアイディアだ。


3月13日(月) グレン・グールド風

ピアノは、ほとんど毎日少しずつ弾いている。
手首を高い位置にキープしておけばなぜか楽なのだが、もっと下げた状態で弾こうとするとすぐ疲れて痛くなってしまう。
親指はかなり内側を向いたままギプスで固定されているので、全く使えない。

バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の最初の変奏曲を、グレン・グールド風にノンレガートで。
ペダルを踏まず、左手1~2本の指でも格好がつくように頑張る。
ドビュッシーの「夢」も、テンポがゆっくりなので何とかなる。

ピアノを弾いていると、ネコのキキがよく鍵盤にジャンプして一緒に弾き始める。
(鍵盤の上を歩き回って、自分の出す音を楽しんでいるようだ。)
可愛いけど邪魔・・・そう言えば「ねこふんじゃった」も、左手は指1本だけでちゃんと弾けるな♪

怪我したばかりの頃はとても無理だった重たいオーブンや冷蔵庫のドア、箪笥の引き出しなども、いつの間にか左手で開けられるようになっている。
サラダスピナーを左手で押さえて右手で回すといった動作もどんどんできるようになってきた。

もう、できないことは怪我のせいではなく、ギブスで指の可動範囲が狭まれているからに思えてきた。
後ろで髪をゴムで結ぶのは、まだ一重にしかできない。
それを大きなピンで留めれば邪魔にならない。大した進歩かも。




3月14日(火) ジーグ

ラヴェルの「ピアノコンチェルトト長調」第2楽章の最初のページなど、左手の指1~2本でも、右手でカバーするなど工夫しながら結構弾けるようになってきて嬉しい。

バッハの「パルティータ第1番」の最後の曲「ジーグ」は、テンポを落とせば左手の指1本でもちゃんと弾けた気分になれる曲だ。(「ねこふんじゃった」のハイレベル版のようなもの?)

娘が小学生の時に習い、それを聞いているうちに私も暗譜してしまった曲だ。
・・・というか、暗譜しないと弾けない感じの曲?
(下の動画の女の子、とてもしっかり弾いている♪)


ピアノのおかげで指の動きがなめらかになっているのか、PCのキーボードのタイピングもずい分速くなってきた。

少しずつ解けてきている家の前の湖が、とても賑やかだこと!
アフリカの太鼓のような、とてつもなく巨大な生物の心臓の鼓動のような、本当に神秘的で不思議な音だ。

今日はダブルチョコレートブラウニーを焼いた。 ⇒ レシピはこちら


3月15日(水) また歯医者へ

2週間前の続きで歯医者へ。
前回つけた仮のものをはずし、新しいクラウンをかぶせてもらった。
ドクターも学生時代にスポーツで右手の指を骨折したことがあるそうで、寝る時にどういう姿勢が一番楽なのか悩みすぎていつもよく眠れなかった話を、おもしろおかしくしてくれた。

あれ?私はどういう姿勢で寝ていたっけ?
お腹にギプス部分を乗せて、あお向けかな?
骨折してから、不思議と毎晩熟睡している。

私がエッセイを寄稿した、ラジオ英会話テキストの見本誌が日本から届く。
自分の記事を見るのは、くすぐったい気分だ。
6月号の締め切りが迫っているので、また原稿書きに励む。

オーケストラのファーストヴァイオリン仲間の1人から、お見舞いカードも届いた。
いつも彼女と並んで楽譜をシェアして弾いているので、とても寂しがってくれていた。
リハーサルに出かけて、合間に団員のみんなと世間話するのも楽しみなので、ヴァイオリンが弾けないもどかしさに加え、自分の居場所を失ってしまったことが辛い。

リハビリ頑張って、早く戻ろう!

2017年3月11日土曜日

骨折2週目 (12~14日目)


3月9日 (木) 寒い・・・

夕べは子供のようによく寝た気がする。ギプス生活にも段々慣れてきたようだ。
誕生日に夫がくれたカメラの日本語のマニュアルをオンラインで見つけたので、プリントアウト。
覚えることがたくさんある。

少しずつ左手の力と柔軟性が戻って来たのか、今まで開けられなかったネコ缶が、左手で開けられるようになった。
デンタルフロスも上手になってきた。何でも時間がかかるし、神経を使うけれど。

またぐ~んと冷え、今日の最低気温は-25℃だとさ!一歩も外に出なかった。


3月10日 (金) 赤ちゃん

甥夫婦に赤ちゃんが生まれたとの知らせを受け、病院まで会いに行った。


6時間前に産んだばかりとは思えないほど、ママは元気そうでびっくり。
夫はさっそく抱っこしていたけれど、私は左手が不安なのでやめておいた。
明日にはもう退院らしい。アメリカのお母さんは強い!


3月11日 (土) ワイン

左手と手首の具合は、劇的に良くなってきているような気がする。
久しぶりにグラノーラを作った。時間はかかるけれど、結構何でもできるようになってきてうれしい。
 ⇒ レシピはこちら

近所の友人が、遅ればせながら Happy Birthday! と、私がまた転ばないように靴底に引っかけるチェーンのような滑り止めをプレゼントしてくれた。

キッチンを改装したので見に来て!と近くに住む親戚夫婦に言われ、出かける。
下の子はもうすぐ8ヶ月で、今にもハイハイしそう。
抱っこしたかったけれど、予測のつかない活発な動きをする赤ちゃんは危険すぎるのでやめておく。

ホームメイドのワインをごちそうになる。
怪我をして初めてのアルコールが、とてもおいしく感じられた。
本当は、骨折中はアルコールは控えたほうがいいらしいけれどね。


2017年3月8日水曜日

骨折2週目 (8~11日目)


3月5日(日) スケートリンク

ずっと引きこもり生活だったが、少し庭を歩いてみた。
まだ雪が積もっている所があるので、何だかこわごわとだ。

近所の友人が、お孫さんたちを連れて登場。
家のすぐ前の湖は全面凍っていて、大きなスケートリンクのようになっている。
この上を子供たちが思い切り走っているのを見ると、転ばないで~と心配になってしまう。


ピアノは、左手の指1本だけと普通に使える右手で、ほんの少しずつ弾いている。
弾いている姿を自分で思い浮かべると、何だか笑ってしまうけれど。

ショパンの「別れの曲」の初めのほう、ベートーヴェンの「月光ソナタ」第1楽章(左手オクターブの下の音だけで)。
ショパンのノクターン「遺作」も加えた。これはたまたま怪我をする直前に練習していた曲なので。

左肘は高めにキープしたほうが、疲れが少ない。
音がポツポツ切れても、ペダルを駆使すれば何とかなる。
右手が暇な時は左手パートを弾くなどの工夫が必要だが、ピアノを弾く喜びを味わえる。

残念ながら3曲弾くのが限界。でも、指に力がついてきたと感じる。


3月6日(月) カレーライス

夫に手伝ってもらって、やっとお雛様をしまう。
ベッドシーツの交換、トイレ&シンクの掃除などは、時間はかかるけれど全部自力でできた。
普段より疲労感を感じるのは、できないことができるように工夫したり、ギプスが汚れたり濡れたりしないよう、常に気をつかっているせいかしら。
体全体で、骨の修復に集中しているからなのかもしれない。

歩く時、右の腰に違和感・・・少し痛みがある。
左手が使えないせいで、無意識のうちにどこか無理しているのかも。

カレーライスが食べたくなり、野菜と肉を切るのは夫にやってもらって作った。
夫も一応料理ができる人でよかったな~
ギプスがカレー色になったりしたら困るので、左手にハンドタオルを巻いて保護した。


3月7日(火) ギプス交換&還暦バースデー♪

昨日痛かった腰は、一晩寝たら治っていた。

3月2日に診てもらった無愛想ドクターに、別の外科医の診察を受けるように言われたので、また病院へ。
このドクターはもっとフレンドリーで、診察の前後に握手をしてくれる。

「骨折が関節に達しているかもしれない」と、この前の無愛想ドクターに言われていたので、手術が必要と言われたらどうしようとドキドキ。
でも前回のレントゲン写真をチェックしながら、多分手術の必要はないだろう、このまま様子を見ると言ってくれたのでほっとした。

腫れが引いてきてゆるくなっているだろうから、ギプスを取り換えるとのこと。
あれ~?この前装着してから、5日しか経ってないよ~
戦後の生まれだが「もったいない精神」旺盛なので、何だか罪悪感を覚える。

そのドクターではなく、別の若い男性がギプスカッターと共に登場。
ネットで、このカッターの音と振動がものすごいという情報はゲットしてあった。

肌に当たっても大丈夫な作りだと説明されても、やはり恐ろしい音だった・・・!
振動と共に、熱も伝わってくる。

下の動画の男の子のようにビビる。おばさんがビビっても、ちっとも可愛くはないが。
結構あっという間に、無事に終了。


外してから手と腕を洗わせてもらい、さっぱりした。
内出血は、手首の内側部分に直径1センチ位残っている程度。
この前より左手全体を内側に少しだけ折るような角度をつけて、また固定された。
転んで手をついた時と反対の方向ということなのだろうか。

夕べ左指のしびれを感じたことを、ドクターに報告。
しびれは長く続かずに終わるけれど、何度か起こったのでちょっと不安だった。
でもギプス交換後には、全く感じなくなる。

ギプスをしていても、指や肩などはなるべく動かすように言われた。
ダンスをしても良いかたずねたら、「構わないけれどまた転んだりしないようにね!」と念を押されてしまった。
OKをいただいたので、これで心置きなく Zumba が楽しめる♪


今日は私の還暦バースデー!よくぞここまで来たものだ。
本当は、イタリアンレストランでバースデーランチの予定だったが、雨が降り始めてひどい天気のため中止。

今日まで開けずに取っておいた、子供たちや日本の友人たちが送ってくれたギフトを、ワクワクしながら開けてみる。
どれも心のこもった素敵なものばかりで、大感激・・・

息子夫婦は私に似合いそうな服を送ってくれたが、残念ながら今の状態では袖が入らない。
娘からは1ダースのバラの花束、ケーキ、それに真珠のブレスレット!ずい分太っ腹だ。
早く治っておしゃれしたいな♪


夫からの大きな箱には何が入っているのか見当もつかなかったが、開けたら何とミラーレス一眼レフカメラだった。
片手ではピントを合わせるのも大変だけれど、シャッター音が何と心地良いのだろう!
治ったらガンガン撮るのが楽しみ!!


夕食はご飯&味噌汁が恋しくてたまらなくなり、簡単だけれどおかずも全て自分で作った。
夫に手伝ってもらったのは、野菜の袋がどうしても開かなかった時だけ。
ジップロック式の袋は、片手だと結構手ごわい!)

支度にはとても時間がかかり、グリーンオニオンの小口切りの仕上がりはベテラン主婦のものとは思えない拙さだったが、全部1人でできたことでちょっと自信がついた!
私にとっては、これが自分自身へのささやかな還暦祝いとなる。


友人たちからの誕生日お祝いメールの返信に、骨折の報告もしておいた。
みんな驚くだろうな。


3月8日(水) 路面凍結

近くに住む日本の友人と、あれやこれやの長話。
受話器を右手でしか持てないので、1時間経つとすっかり疲れてしまい、その旨伝えてさよならした。

やはりミネソタに住む別の日本人の友人も、実は以前左手首を骨折したことがあるそう。
後遺症もなく完治したと聞いて、かなり安心する。ミネソタは路面凍結が多いからかなあ。

そう言えばドクターが、今年は転んで骨折する人がいつもよりずっと多いと言っていた。
気温の変化が激しかったので、一度解けた雪が再凍結してしまった場所が多いのだろう。


その上に少しだけまた雪が積もって氷が見えない状態が、一番危ない。
私もそれでだまされた。
店などの前には、お浄めの滑り止めのがまかれていることが多いが、足りていないのかも。



2017年3月4日土曜日

骨折1週目 (3~7日目)


2月28日(火) ピアノが弾けた♪

が伸びていることに気付き、気になってまず左手の指の爪を切る。
さて、右手はどうしよう・・・?
夫に頼めばやってくれるだろうが、なるべく頼らず工夫したい。

爪やすりでこすってみたけれど、形を整えるのが難しい。
マウスパッド(滑り止め用)の上に爪切りを置き、右手の爪を挟んだ所で、シーネに守られた左腕の固い部分を利用して何とか切ることに成功!

午後はリラックスすることに決めた。
ピアノ音楽を聴きながら、ベッドに寝そべって読書。

うちのネコのキキは、夫か私の調子が悪い時には必ずなぐさめに来てくれる優しい子だ。
ゴロゴロ喉を鳴らすネコを抱っこしながら読書だなんて、まさに天国のような体験。
何もしていないのにいつもより疲れるのは、体全体フル稼働で故障箇所を直そうとしているせい?

のんびりすることに罪の意識を感じる必要はないはず。
すっかり元気になっても、たまにはこんな時間を持とう。

左手の指が紫色になっていることに、ふと気付く。
包帯がきつすぎて血行障害になってしまっているのでは・・・と心配になる。
壊死して切断なんてことになったりして。。。不安の雲がむくむくと育ち始めてしまう。
指は冷たくなってはいないので大丈夫だろうが、包帯をゆるめてみた。
だいぶ楽になった気がする。

気を取り直して、ピアノを弾いてみることにした。
大好きなショパンの「別れの曲」の初めのほうは、左手がほとんど単音なので、ギプスから少し出ている左手の指1本でも弾けることがわかってにんまり。

ふにゃふにゃで力が入らなかったり、逆に無神経で乱暴な音しか出せなかったらがっかりだが、ペダルのおかげで一応レガートに聞こえる。
神経がずたずたに破壊されて、強弱の調節が全くできない・・・という状況ではなさそうで、一応ほっとする。


3月1日(水) 骨折時の心構え

今日は歯医者の予約があったので、キャンセルはせず夫に連れて行ってもらった。
受付にいたアシスタントのお姉さんが、私のギプス姿に驚く。
2月19日にあったコンサートに来てくれていたそうで、当分ヴァイオリンが弾けなくなっちゃいますね・・・と気の毒がってくれた。

骨折した当初はこぶしを握るなんてまったく不可能だったけれど、包帯をさらにゆるめると、それがまたできるようになった。
夫から禁止令が出ていたが、彼の留守中にこっそり皿洗いもしてみる。
ほとんど右手しか使えないので時間はかかっても、何とかできることがわかった。

台布巾を絞るのは絶対無理なので、シンクの側面に押し付けながら右手の握力全開!!で、握りつぶす感じでやってみた。
これでも一応絞れる。何ヶ月も痛かった右手小指のへバーデン結節の痛みが最近治まってきたところでよかった!
これの痛みがピークの頃は、人と握手しても痛くて大変だったもの。

骨折のことを、子供たちと日本の家族にもメールで報告。
自分でもつくづくそう思うが、「利き手の右でなくてよかったね」とみんなに言われる。
できることを、少しずつゆっくりやっていこう。

★★骨折がわかってから、心に誓ったこと★★

 1.さらなる事故を防ぐため、周囲を状況確認しながらゆっくり落ち着いて行動する。
   (一番大事かも・・・)
 2.起こってしまったことは仕方がないので、イライラしたり落ち込んだりしない。
 3.人(特に夫)に八つ当たりせず、笑顔を絶やさない。
 4.できないことを嘆くのではなく、できるように工夫する。
   どうしてもできないことは、潔くあきらめる。
 5.初めから人(これも特に夫)に頼ろうとしない。
   時間がかかっても、なるべく自力でするよう努力する。
 6.人にしてもらったことについては、心から感謝する。

骨折なんて、なかなか経験できることではない。(もう2度と起こりませんように・・・)
別に命に関わる問題ではないので、一度できなくなってしまったことがまたできるようになっていく過程を、大いに楽しむことにしよう♪

骨折を機会により良い人間になれという、神のお告げなのかも?


3月2日(木) いよいよギプス装着!

圧迫感が半端じゃないので、昨日は夜寝る前にシーネを外してしまった。
あちこちが紫色に変色している。指が一番ひどくてゾンビのようだ。

外傷がなくても、骨折すると内出血するなんて知らなかった。
折れた骨が周辺の血管や組織を傷つけるからだそう。一晩解放したらだいぶ楽になる。
起きてすぐに、また自分でシーネを装着。

今日は整形外科で診察を受ける。
骨折翌日に行った Walk-in とは別の広々とした病棟で、みんなが「お城」 Castle と呼んでいるそう。


受付の方のとても温かい笑顔に、何だか救われる。
医療関係の方の笑顔は、まさに天使のようだ。

ナースを含め、この病院のスタッフは皆さんフレンドリーなのだが、整形外科のドクターはめずらしく無愛想な感じだった。
眉間に皺が寄った気難しそうなタイプで、ほとんどニコリともしない。
「ミネソタで新種発見!」 という感じ。

もう一度レントゲンを撮るように言われたので、お言葉に従う。
この前の女医さんには「一番大きな骨」としか知らされなかったが、Distal radius fracture との診断。
Radius って単語、「半径」という意味でしか知らなかった・・・

あとでネットで調べたら、
日本語では橈骨遠位端骨折 (とうこつえんいたんこっせつ) だそう。
「高齢者が転倒して反射的に手をついた時に一番多い骨折」だってさ!
ありゃりゃ・・・

確かにもう骨粗鬆症予備軍で、骨が弱くなっているのだろう。
カルシウムのサプリは一応摂っているけれど、そんなのは気休め程度なのかも。

橈骨とは、前腕の2本の長い骨のうち、親指側の骨。小指側のもう1本は尺骨(しゃっこつ)と呼ばれる。
(下の画像は、A. T. 長島治療院のサイトより)


この前は「きれいに折れているので、問題ないだろう」と言われたので安心していたが、今日のドクターはレントゲン写真をじっと睨んでいた。

骨折が関節に達しているかどうか、判断が難しいらしい。
将来、関節炎 arthritis を引き起こす恐れが全然なくもないとのこと。ええっ・・・!
(動揺していたので、細かいニュアンスはちょっと違ったかもしれない)
取りあえず今日はギプスを付け、来週外科のドクターの診察を受けるように言われた。

ギプス(英語では cast)は何色がいいですか?とドクターに聞かれてびっくり。
何色があるんですか?と逆に聞いてしまった。
ピンク、グリーン、オレンジ、パープル、ブルー、ブラックなどの他、迷彩色 camouflage color もあるそうで、さすがアメリカ!と感心。


ピンクやオレンジでは見る度に目がチカチカしそうだし、黒などダークな色では憂鬱な気分になりそうなので、ありふれたをお願いすることにした。

その服の袖は大丈夫ですか?とも聞かれる。
ギプスはシーネよりずっと分厚いのか聞いたら、これ(シーネ)が袖口を通ったのだから大丈夫ですね、と言ってくれた。

全然考えなかったけれど、ギプスを装着した日に、後で服が脱げなくなって苦労する人もいるのだろうな。袖を切るしかないのかしら。
これからギプスをつける方は、要注意ですぞ!

第一印象が無愛想だったドクターも、話してみれば別に意地が悪いというわけではなく、ビジネスライクなだけだったようだ。
彼が部屋を出て行くと、別のにこやかな女性が入って来てほっとする。

ギプスなんて生まれて初めて。どんな風に装着するのか見当もつかず興味津々♪
まず型を取ってそこに石膏を流し込むのかしら?なんて思う。(ギプスというと石膏でガチガチに固められてしまうイメージだったので)

でも、全然違った。
この前と同じように、親指部分を切った白い靴下みたいなものを腕にかぶせられた。
それから厚みのある白い綿のようなものをその上に巻き、へろへろした感じの樹脂製らしき包帯をさらに巻く。
それを、薄い手袋をつけて濡らした両手でおまじないのように少しずつなでなでしてもらうと、しっかり固まっていくのだった。


★おまじない中に、言われたこと色々★

 1.ギプスを濡らさないように注意すること。
   ほんの少しなら問題ないが、シャワー中にびしょ濡れになったりしたら連絡のこと。
 2.痺れたりひどく腫れた感じがする場合、腕全体を上げて様子を見る。
   20分経過しても痺れが取れない時は連絡のこと。
 3.ギプスの中を、決してかきむしらない。
   好きな音楽を聴く、おもしろいTV番組を観る、読書するなどで気を紛らわすこと。
   (こんなことを言われると、よけいに気になるよ・・・)

シーネ装着時は指半分位が隠れてほとんど動かせなかったが、今度は手相で言う感情線の少し上あたりまで覆われただけ。
指の可動範囲が広がり、今までより少し楽になる。

私の骨折のことを知り、近くに住む親戚がラム肉入りの野菜スープ、自家製パン、フルーツサラダ、クッキーを届けてくれる。ありがたい・・・
乳幼児二人を抱えて仕事もしているのに、本当にマメで優しい人だ。

オーケストラのコンサートマスターを含むファーストバイオリン仲間、団員の出欠についても担当しているライブラリアンに、骨折のため3月末と4月初めのコンサートに出られない旨を報告。
4月末の「メサイア」にはぜひ出たいが、どうなることやら。




3月3日(金) シャワーと食器洗いには、レジ袋とランチベルト

こんなにひな祭りらしくないひな祭りは、人生初めてかも。
昨日食事を届けてくれた親戚を含め、その他のリトルガールズたちを、去年に続き招待する予定だったが、料理が満足にできないので残念ながら今年はキャンセル。

それでも指先が前より自由になり、左手はだいぶ使えるようになってきている。
今日は掃除機もかけた。力が入らないので、部品を交換するのが結構大変だった。
手が使えなきゃ足がある!と気付き、めでたく成功。

食器洗いも、時間をかければ何とかなる。
アメリカではほとんどの家で食洗器 dish washer が活躍しているが、実は我が家のは2年半前に壊れたまま。
修理してもらおうとしたが、もう部品がないとのこと。
日本に住んでいた時はいつも手洗いだったので、まあいいか・・・とそのままにしてある。

食器洗いの時にも、シャワーを浴びる時にも、相変わらずレジ袋や大き目のポリ袋を使っている。
レジ袋がたまりすぎていたので、どんどん消費できてちょうどよい。

本格的ギプスにしてからは、大きな輪ゴムではなくランチベルトでとめることにした。
(シャワーの時は、肘に近い位置でとめる)


高校まで毎日お弁当を持たせていた息子のランチベルト、度々の引越しの断捨離で抹殺されることなく、なぜか生き残っていた。
まさかこんなことに役立つとは・・・!予知能力があったのだろうか。

PCのキーボードも、一昨日までは右手だけでやるしかなかったが、左手の指も少し使えるようになる。
デンタルフロスも、一番奥の歯以外は何とか使えるようになった。

着られる服が限られているため、何だか寒い・・・
基本的に、袖口がボタンどめになっていて余裕があるコットンシャツだけ。
フリースもセーターも、しばらく無理そうだ。
今日は特に寒く感じて、そのせいか鼻水がたくさん出た。でも鼻は片手でしかかめない。

オーケストラのヴァイオリン仲間やライブラリアンから、お見舞いと励ましメール。
特にオーボエ奏者でもあるライブラリアンからの返信が嬉しかった。
彼女も1年ほど前にやはり転倒で手首骨折の経験があるので、時間はかかるけど必ずよくなる、ギプスがはずれたらリハビリをきちんとすれば大丈夫!と教えてくれ、とても励みになった。


3月4日(土) Zumba

お菓子が焼きたくなり、市販のパイ皮を使ってピーカンパイを全部自力で焼いた。
こうして小さな成功体験を積み重ねることが嬉しい。

骨折後の内出血のためゾンビっぽい色に変色していた指も、段々と人間らしい色に戻ってきた。
夫が、ギプスにトランプ大統領の似顔絵を描いちゃうぞ! とふざける。
それだけは、どうぞご勘弁を~ (´Д`;)

夕食は、夫が買ってきたピザ屋さんのピザ
簡単でいいけれど、自分で手をかけた料理が懐かしくなってきた。

時々、左手の指の間に水が伝わっているような変な感触。
触ってみてもちっとも濡れてはいないのだけれど、ここ数日そんな不思議な現象が起こっている。

毎晩のヨガの前に、YouTube に合わせてのズンバ Zumba も再開♪
たくさんのレパートリーがあり、日替わりで楽しんでいる。


もちろん左腕をかばいながらソロリソロリと、1曲ほんの3~4分だけれど、体を動かすのは本当に気持ちいい。
皆さんのしなやかな両手の動きが、ちょっとうらやましくなる。